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劣悪VHS動画を修正する [  VHSビデオ(補完計画)]

今回の記事は、私がVHSビデオの劣悪動画を少しでもましに鑑賞できるように修正している努力を、私以外の人にも知ってほしいという気持ちで書いている。

元動画がMPEG-2でそれをAviUtlなどでMP4にする場合、ネット上でしばしば私が読むのは、「変換してしまえば画質は確実に落ちる」という記述だ。

人の考え方は年と共に変わるから不変ではないが、今現在の私は、次のように思う。「その記述は、ある意味では不変の真理であり、しかし別の意味ではそうとも限らない」と。

つまりその言葉についてどの「土俵」で勝負するか、によって異なる。

まず、結果が「不変の真理」のほうの土俵から。これは、動画を「情報・データ・コード」として見た場合だ。その場合、AviUtlを使う者がどんなに頑張っても、読み込んで・変換して・処理して・再エンコードすれば、元の情報は恐ろしく変化する。不可逆的な変化を。元動画を削除してから何かの不備に気づき、やり直したいと思っても、この不可逆的変換はそれを許さない。

では結果が「そうとも限らない」ほうの土俵は何なのか。これは、その動画を「人が見て・感動して・良かったと思うためのもの」として見た場合。その場合、元動画からデータ的に変化してしまったという事は、必ずしもマイナス要因ではない。具体例を出したい。

私がはるか昔から持っているVHSビデオテープの録画、その中に円谷プロダクションの作品がある。でも私がここで出したいのはウルトラマンではない。ファイヤーマンだ。本放送時の録画ではない。どうやら、それよりもずっと後、VHSビデオがDVDに置き換わりつつあり、私がビデオ店の存続を心配した頃だと思う。当時私は、自分の家から歩いて行ける範囲のすべてのビデオ店と、通勤(通学だったか?それは忘れた)の定期券で途中下車できる範囲のすべてのビデオ店に行き、自分の記憶にある懐かしい動画を探した。その当時は、ファイヤーマンの全話収録ビデオは出ていなかったと思う。私が手に入れたのは断片だった。番組の主題歌や副主題歌に乗せて映像を出すというもの。全話収録ビデオがない当時、私は手に入れられるだけのものを手に入れた。

それが、下の動画だ。突然画面が黒くなって、見た人は呆れるだろうか。


これは、VHSビデオデッキが半分壊れていたんだと思う。ある程度以上に明るい映像が入力されると、それに耐えきれずに画面が黒くなってしまった。私はこの状態で、この年まで、ずっと見てきた。これ以外にどうしようもないと思っていたし。

でも私がこの動画を手に入れた大昔から今までの間に、世の中は変わっていた。AviUtlなどのソフトをPCで使えるようになり、少なくともPCでの視聴ならば素人が動画を修正できるようになった。私は今回、こんな風にしてみた。


色は今どきのいろんな動画のリマスター版がそうであるように、鮮やかにした。それにファイヤーマンの赤い大きな目は、私としてはくすんだ色であってほしくなかった。赤く光っていなければ。ファイヤーマンは、それが美しかったから。そして、上に書いた黒くなる部分は修正した。