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昔のマンガ本を捨てる(47) [  昔の本(補完計画)]

金田一少年を片っ端から捨ててゆく、その最後です。

最後に、短編集収録のノベルも読み直してみました。読後感想なので結果的にネタバレでもあります。今回も個人的な記事ですみません。


短編集の1から3までには各1話ずつノベルが含まれています。私は小説を読まない人間なので、ノベルはコミックに比べて関心の度合いが低いですが、それでも長年の間に一度はこのノベルを読んだようです。それで今回本を捨てる前に、最後にもう一度読んでおくことにしました。たまたま手に取った短編集3の「金田一少年の悪夢」から始めましたが、これは手に卵としゃもじを持ってダイイングメッセージというコミカルな謎になっています。私は基本的にシリアスな謎が好きなので、これはデジカメ撮影しないことにしました。そういえばこの話はテレビアニメにもなったような気がします。おそらくその時の記憶で、卵としゃもじが何を意味するかはわかってしまいました。でも昔の記憶でズルしたのはそこまでです。後は記憶にありませんし、自分で解きました。テニスプレイヤーが右手に卵、左手にしゃもじだから、犯人は左利き。卵としゃもじが何を意味するかさえわかってしまえば、後は簡単でした。実は3人ともとっくに死んでいたという幽霊オチだったとは、意外で、恐くて、楽しめました。霊が降霊術やってたとはね。

最初に短編集3から手に取ってしまったので、必然的に次は2というわけで、「迷い込んできた悪魔(デモン)」。さっき読み終わりました。これも大昔に一度は読んだ記憶があります。テレビアニメにもなったんじゃないだろうか。犯人は山荘の主人になりすましていたかもしれない、というおぼろげな記憶が。でもそんなことは関係ありません。「作者からの挑戦状」にあるように、犯人「デモン」が誰かを答えるだけでなく、どうしてそうなのかを納得できる理屈で答えられなければいけないのは当たり前。それに私の大昔の記憶はあやふやで、そんな気がするというだけ。間違っているかもしれない。私にしては珍しく本腰を入れて謎を解いてみようかという気になりました。ところが私は人がやらないとんでもなく大きなアホをしてしまいました。文字の読み間違いです。冒頭でデモンは「あの犬のせいで!」と言う。犬がいたのか。私の大アホは次です。「手首をくわえてこらえては」と読んで、デモンが自分の手首をくわえて、こらえている?怪我でもして痛さをこらえているのか?犬のせいか?・・・どうにもなりません。自分なりに謎を解いて、全部終わって、この記事を書く段になって読み返したら「手首をくわえてこられては」じゃないか。しかもこの手首はデモンの手首じゃなくて、バラバラ死体の手首というとんでもない物。一文字違いで大違い。この大アホのせいで私は登場人物が腕に不自由している描写はないかと大脱線しながら最後まで読んだのでした。しかしそうなると、私はこの大脱線からよく犯人特定にまで軌道修正できたものです。そこまでの道のりは長かったですが。テレビがデモンの犯罪を報道。デモン・ショウ・・・で作者先生がテレビの電源を切れさせたのは、ショウコのような女の名前もありうるという、火口がデモンである可能性を残すため。テレビのリモコンを触ってしまったのは火口。でもこれは火口がデモンである理由にはならない。むしろこんな描かれ方をしている時はたいてい引っかけだ。しかしそれも、引っかけかそうでないかは真犯人が誰かを特定することで判断しなければならない。万田はコーヒーカップを左手で持ち上げた。何か意味があるのか?(結局意味がなかった!)山荘の外に放置されていた死体には両手で首を絞められた跡が。あれ、手を怪我しているのに両手で絞殺?ここに至ってもさっきの大アホ勘違いが災いしていました。で、そのまま「作者からの挑戦状」に到達。うーん、わからない。挑戦状の直前に金田一は「おれ、どうもひっかかることが一つあったんだ」と言う。そこで私は、そこから遡って逆に読んで行き、金田一が何かを見るか聞くかしてひっかかった部分の描写を探しました。どんどんページを遡っても何も見つかりません。金田一と美雪が山荘に到着する部分より前へ遡る必要はないはず。でもその直後に何かある可能性はある。そこに私は見つけました。山荘の主人の言葉「私もたまたま三日前に来たばかりなんですよ、それも一か月ぶりに。」たしか観葉植物があったはず。一か月も放っておいたら植物が枯れてしまう。つまりこの山荘の本当の主人はずっとここで暮らしていて、だから植物の世話ができた。犯人デモンはそれに気づかずに一か月も山荘を留守にしたと言ってしまった。謎はすべて解けた!・・・間違ってました。「挑戦状」より後を読み進めると、いつも人がいるわけじゃない山荘の植物は本物ではなく、作り物とも知らずに水を遣っていた主人がデモン。なるほど、そのほうが自然ですね。さて、私は犯人が誰かを読んだので、これでこのノベルも終わりだと気を抜いてしまいました。最後に鳳の本名が何かというのが残っていたけど、どうせ笑える名前というだけだろう、と。それで不覚にも順を追って読まずに、目がページの最後の部分に行ってしまいました。後悔しました。順に読んでいれば、このノベルにはもうひとつ、わかりやすいけど面白い判じ物が残っていたというのに。そういう自分の後悔も含めて、このノベルは残しておきたいと思い、デジカメ撮影することにしました。

短編集1の「共犯者X」は、この記事を書き始めた時はまだ読んでいませんでしたが、それから何時間も経って夜になってから読みました。この話は、大昔に読んだ可能性は高いですが、まるで覚えていません。この話だけは全部自力で考え、私が考えた共犯者Xの正体は合っていました。普段小説やノベルを読まない私も、これで3つめだから少しずつはコツが飲み込めてきたのでしょうか。この話は、高校生Aには殺したい相手aがいて、Xには殺したい相手xがいる。AとXは面識がなく、コンピュータ実習室の机の落書きで知り合い、机の落書きだけを使って交換殺人の契約を交わし、Aがxを殺し、Xがaを殺すはずだった。ところが実際にはAはxを殺したが、Xはaを殺さなかった。Aは警察に捕まったが、Xを直接知らないので、Xが誰かを警察に言うことができない、という話ですね。物語で設定された容疑者は、Aと同じ机を使っている3人の生徒でした。私は結構長い間、色々考えました。Xは本当に3人の容疑者の中にいるのか。交換殺人自体がAの狂言で、aは実はAとグルではないか。いや、そんな事をしてもAは実際に人を殺してしまってどうしようもないではないか。これは違う。では3人の容疑者の中にXがいるのか。3人のうちX以外の2人は、机に書かれたAとXのやりとりを見なかったのか。AとXは、同じ机を使う他の人に気づかれるようなやりとりをなぜしたのか。いや、そういうやりとりが成功したということは、気づかれてもよかったという事ではないか。つまり3人ともAの落書きを知り、3人が共謀するか、あるいは偶然に、各々が何らかの形で犯罪の一部に加担したのではないか。それにしては3人に接点がなく、それらしき記述もまったく見られない。これも違う。腑に落ちない事がある。例の机から9人分の指紋が検出されたという。授業が終わったら担当の先生が机に鍵をかけるから、この机を使う4人と担当の先生以外の指紋が付いているはずがない。もし付いているとすれば、それは本年度の授業を受けている生徒の指紋ではなく、去年や一昨年の授業時の指紋に違いないが、この部分はあっさりと書かれていて何もわからない。ただ、この時点でXが誰かは推定できた。全部の指紋が生徒の指紋だったと書いてある。先生が毎回の授業の後で机に鍵をかけているにもかかわらず。それに、これから殺人に関与しようという人間は普通自分の指紋を残さない。ベタベタと机に指紋を残した3人ではなく、当然指紋が付いているはずなのに付いていない先生が怪しい。というのが私の推理でした。私は共犯者Xの正体を言い当てることはできたけれども、話そのものには短編集2のデモンほどの面白みを感じなかったので、デジカメ撮影はしませんでした。

明日の朝には、私は短編集に十字に紐を掛けて資源ごみ置き場へと持って行くことになります。

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blueclouds

コメント欄にて失礼。GS美神の記事が数か月後になると書いておきましたが、明日からすぐに始まります。巻数が多いので最後まで一気には無理ですが、とりあえずキリのいい所まで記事にしたいです。
by blueclouds (2016-03-26 07:51)