SSブログ

レコードプレーヤーがついに(7) [  レコード(補完計画)]

レコードジャケットをどうやって撮影するか考えを巡らした。

レコードプレーヤーを修理し、フォノイコライザーとスタイラスクリーナーを買い、レコードクリーナーと替え針をもっている私は、レコードを再生してPCに入れたり、PC経由で聴くための用意はほぼできたと思う。ところが、まだ非常に大きな問題を抱えている。その問題とは何か。LPジャケットの撮影方法だ。何度ネット検索しても、出費と結果の折り合いがつく方法が見つからない。

A3を超える巨大なフラットベッドスキャナはもっとも適しており操作も単純で結果も確実だが、高くて手が出ない。このさいA3プラスでなくA3スキャナで2回スキャンして合成するかと思っても、それでもまだ高い。二十数万円があたりまえ、安くて十数万円。ごくまれにA3スキャナでたったの数万円というのが売られているが、ユーザーのレビューがその粗悪さを物語る。A4スキャナで4回スキャンして合成するという方法がネット上にあった。レコード枚数10枚くらいまでなら私もこれを考える。でも50枚ならどうだ。ひょっとして100枚ならどうだ。やってられないよね。それに、私のもっているスキャナは自動読み取りの結果スキャンごとに明るさが微妙に変わる場合があるから、複数画像の合成には色々と考える事が付け加わりそうだ。

カメラを使うという方法は、スキャナを使う方法と双璧をなしている。この場合、カメラを被写体にまっすぐ向けて固定する装置と、正しい照明が必要だ。私はそのどちらも持っていない。カメラを固定する装置はコピースタンドというものを買うことになるらしい。カメラを手持ちにすると手ブレと傾き・歪みが相当に心配だ。しかし私が一番必要なのは照明のほうだ。なぜかというと、うちには卓上スタンドすらない。夜中の照明は天井からのものだけ。レコードジャケットをテーブルに置いてその上からカメラで写すのに、天井の照明では被写体が自分の頭の影だ!ではなぜ昼間に撮影しないのか。個人的な理由がいくつかある。うちは個人的な住宅事情から、隣人が気遣いなしに近くの階段を上り下りすると、それが地響きとなって床に伝わる。レコードを再生してデジタル化している最中にそんな地響きが起きた時のことを考えてみてくれ。その他にも自宅内部でも、親が行き来して音や振動を起す。他にも、(以前に書籍をデジカメ撮影した時に気づいたのだが、)これから冬に向かって陽光の射す向きが傾いてゆくと、うちは早々と日陰になる。陽光を使って写真撮影ができる時間帯は限られる。そういう色々な事情から、私には照明が必要だ。照明つきのコピースタンドを購入するという方法がある。ただしこのコピースタンドはどんな製品でもLPジャケットの撮影に使えるわけではなく、カメラの位置調整がLPジャケットに合うようにできる製品でなければならない。コピースタンドも、A3スキャナほど高価でないとしてもけっして安くはない。高い買い物だから慎重に調べなければいけない。

富士通からユニークな形のA3スキャナが出ている。これはスキャナだからスキャナの項目に含めるべきものだが、フラットベッド型ではない。オーバーヘッド型だ。値段は4万7千円くらいするが、私は今回のLPジャケット撮影以外にも大判の紙をスキャンしたいと思っていたので、ひとつの候補としている。ただしいくつか問題点はある。(今は品定めをしている最中だからわざと問題点ばかりを挙げるが、けっしてこの製品をけなしたいのではない。むしろ関心があるから長文で記述する。まず問題点を列挙し、そのひとつひとつを許容できるかどうかよく考え、許容できたら予算を超えても買おうというわけだ。)さてその問題点だが、1.何よりも規格としてA3までのスキャナだ。あるレビューでLPジャケットをギリギリ1回のスキャンで何とかできると書いてあったが、本当にそうかどうか複数の情報を集めて確認しなければいけない。と、この記事を書いている間に2つめのレビュー発見。こちらにもLPジャケットをスキャンできて嬉しいと書いてある。信じてよさそうだ。2.補正をかけても歪むというレビューがある。縦は良いが横線が波打ち補正しきれないというレビューもある。でもこれは本を開いた時の立体感を言っているのかもしれない。LPジャケットのような平たいスキャン対象には関係ないかも。3.スキャン対象を置く面が黒いので、LPジャケットが黒っぽいと輪郭を認識できないらしい。白い紙の本を想定しているのだろうか。レコードジャケットは間違いなくカラフルなので、1枚ずつ手動で枠設定が必要になるかも。それなら、手動で台形補正をやってやるさ。4.スキャナに近い場所は白飛びしやすいと書いてあるレビューもある。白飛びって何?5.カラー写真の取り込みをきれいにしたいと思う人には向きません。スキャン後に自動的に色補正がかかり、色彩的にとんでもない修正が往々になされます。:このレビュー内容は正直心配だ。6.解像度がいまひとつです。:でも、300dpiは大丈夫みたいだ。それなら十分。さあ、これ位にしよう。結局、心配なのは5番のレビューだ。

これだけ時間をかけて、あれこれと思い巡らし、ScanSnap SV600はものすごく興味深い製品だと思った。フラットベッド型スキャナだと読み取り面が広ければ広いほど置き場所・仕舞い場所に困る。カメラ撮影のようにスキャンポイントを固定して遠い場所や近い場所を一度に読み取ったらフラットベッド型のサイズは要らない。でもそんなことをしたら歪みの補正が大変だから、常人は発想が頭をかすめるだけで終わる。それをまさか、実用化してしまった人がいたとは。ものすごく興味を抱いてしまう。

私は将来的にこの製品を手に入れたいと思うまでになっていた。ただ、さらに時間をかけて思い巡らしているうちに、まったく別の選択肢が頭に浮かんだ。「今はジャケットをスキャンしない」という選択肢だ。私は初め、レコードを再生してデジタル化している時間を使ってジャケットもデジタル化しようと思っていた。そうしなければ、レコードを(音のデジタル化とジャケットのデジタル化で)2度出してこなければならないからだ。でももう一度よく考えた。いくらレコード再生中は暇だといっても、その時間に同じくらい神経を集中するスキャン作業をするのは大変だ。そして思い直した。音のデジタル化とジャケットのデジタル化は一緒にできない。どちらかの作業に専念し、それが終わってから同じレコードをもう一度出して、もう一方の作業をするほうが良い。レコードプレーヤーの修理保証が3か月だから、プレーヤーを使う「音のデジタル化」から始めるのが正しい。

今日は引き出しからレコードクリーナーや替え針を出してきた。プラグのクリーナーも出した。明日は机の上から重いデスクトップ型PCを取り除き、そのかわりにレコードプレーヤーを置き、PCはどこか別の場所に置くという大仕事が待っている。予定ではフォノイコライザーが来週届くはずだったので、それまでにゆっくり準備をしようと思っていた。そうしたらどうしたことか、今日フォノイコライザーが届いてしまった。驚きだ。明日はプレーヤーを移動し、明後日には1枚目のレコードをかけるか。ああ忙しい。世の中では株価が暴落しているがそんなことはもうどうでもいい。私はとことん忙しい。まとまった作業をしたらまた記事を書きたいが、ひょっとして忙しすぎてその暇がなく月日が過ぎたらご勘弁いただきたい。

コメント(0) 

コメント 0

コメントの受付は締め切りました