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トレントについて学ぼうとしたが、あれは怖すぎてやめた [手記さまざま]

私はおじさんだから、トレントというのが何かよく知らなかった。「トレントは急流とか激流とかいう意味で」と解説が始まると、おじさんはわけわかんなくてハクション大魔王のようにじんましんが出そうだ。

そんなおじさんは、ウイニーとトレントを今まで完全に混同していた。あなた、そんなに呆れないでくれ、おじさんはウイニーと聞けば皮なしウインナーのほうを思い浮かべる世代なんだ。で、ウイニーならば、以前の事件をおじさんは少し知っている。テレビのニュースでやっていた。ウイニーをターゲットにしたウイルスソフトが作られて、本来共有するはずのないPC内の情報がネット上に流出した事件だった。

ウイニーのことが頭にあったから、ネット上でトレントがとても非難されているのを見て、おじさんは、ウイルスが危険だからというのをまず考えた。でもそれは考え違いだった。ウイルスはもちろん危険だが、トレントが非難されている理由は著作権侵害のほうらしい。そしてその問題が、ものすごく深刻で怖いと思えてきた。麻薬のような怖さがある。日本の大半の人間はトレントに手を出すべきでない。手を出せるのは、入手しようとするデータが現在売られているメディアでなく(つまり人様の収益に迷惑をかけず)、仮に将来、入手御法度のデータを欲しいと思ってしまった時にもその誘惑に打ち克つ超人的な精神力をもつ人だ。

今回の駄文は、おじさんがトレントについてネットで調べてどう認識し、どう判断したかという記録になっている。トレント自体の目的や動作については、一度記事を書いてみたけど全部消した。結局手を出すべきでないという結論に達したのだから目的や動作の記述は必要ない。

ただしトレントの「しくみ」が合法か違法かについてのおじさんの認識と判断は記述しておきたい。おじさんがネットで学んだ所では、トレントというしくみそれ自体に違法な部分はないと思った。それどころか、参加者全員が善意で(つまり、自分がデータを取り終えてもシーダーとしてとどまり)自分の所有するデータを他者に分け与えるという、心温まる発想で作られている。でもこれは、あまりにも性善説信奉的だと思う。参加者全員がけっして違法なデータを流さないという大前提で成り立っている。つまりおじさんの考えでは、問題は流通するデータのほうにある。そして、どれだけトレント自体のしくみは悪くないと主張しても、扱われるデータに問題があり流通を防がなければならないので、結局トレントを否定しなければならない。

おじさんは初め何も知らなかったから、大昔に捨ててしまってすでに絶版の書籍がトレントで手に入れば嬉しいと思っていた。でもそんなものは見つからなかった。それじゃあそもそもトレントでよく流通しているデータって何なんだろう、と知りたくなった。そして少しネット検索するうちに、現在販売中のメディアがデータとして流通していることを知った。それも、ずらりとリストにして紹介されたりしている。それでわかってしまったのだ。トレントを取り巻く現実には、とんでもない悪が存在する。

どうしてとんでもない悪か。もちろん第一には著作権を侵害するからだが、おじさんが考えたのはそれだけじゃない。若い人を犯罪に引きずり込む麻薬のような作用があるんじゃないか。ああいうメディアを欲しいと思うのは、おじさんよりもずっと若い人々だろう。その人たちがあれを目にした時、おじさんほどの理性や、自制心が働くだろうか。また、若者の理性や自制心に任せてしまっていいものだろうか。その若い人に、ダウンロードが完了した時点で自分は犯罪者だという認識があるだろうか。ネットアクセスの記録はプロバイダに残っており、いつ警察がプロバイダに情報の公開を求めるかわからないと認識しているだろうか。たとえ最初は何らかの後ろめたさがあったとしても、続けるうちに妙な高揚感や楽しさを感じて、罪の意識が麻痺してエスカレートしないだろうか。

それだけじゃない。トレントはそのしくみから、自分がデータを取得するだけというのは無理だ。自分がデータを取得する最中に、その自分のデータを他人が取得する。つまりこの犯罪者は、著作権侵害の容疑だけでなく、それを他人に横流しした容疑も同時にかけられる。これをやっている若い人は、事の重大さをわかっているだろうか。

実はまだ問題点がある。トレントには年齢確認がない。おじさんは年をとりすぎて上記の新しいメディアには無縁の人間になってしまったので、それに興味はなかったが、昔持っていた今では絶版の本には興味があった。それが見つからなかったと上に書いたけれども、正確にはほんの少し、非常に限られたジャンルだけが見つかった。そのジャンルとは、口に出すのも恥ずかしいエロ本だ。おじさんが本当に欲しかった子供時代の怪獣本や捨ててしまった学習図鑑はなく、少し大きくなった後のエロ本だけがトレントになっていた。その時おじさんは察した。トレントとして出回っているものの大半は、少なくとも日本関係では、おおっぴらに共有できないものなんじゃないか。つまり、現在売られているメディア。それと、古い本でもエロならば需要がある。なんてこった。おっと、年齢確認の話はこれからだ。おじさんはその時点ではこう思った。絶版になった本なら取得しても人様の収益に迷惑をかけないだろう。そして、昔持っていたエロ本だけをダウンロードしようとした。でもそのうちに気づいてしまった。トレントのしくみでは、おじさんが取得しているデータを同時に他人が取得する。さて、その他人はいったい何歳なんだろう。だめだこりゃ。何もできない。絶版の本ならばいいかと思ったのに、今度はエロだから駄目か。

それでおじさんは、トレントを学ぶことを全部やめた。

おじさんは世の中に要望がある。トレントのシステムに著作権侵害のチェックや年齢確認を組み込んでほしい。その結果日本でトレントをやる人間はかなり減るかもしれないが、残ったトレントユーザーは本当に健全なユーザーだ。みんなで助け合ってデータを共有するというしくみ自体には愛を感じる。だからそれが健全な形で行えるしっかりしたシステムを作ってほしい。その日が来るまでは、トレントはおあずけだ。



まとめ

トレントする人 心得の条
ひとつ、現在売られているメディアを取ってきたら犯罪者
ひとつ、それを他人に自動的に横流しするからさらに犯罪者
ひとつ、エロを未成年者に渡したら犯罪者

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