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人生補完計画 カセットテープ音声のデジタル化保存(82) [  カセットテープ(補完計画)]

アフガニスタン・バナナスタン

これを知っている方は、「バナナスタンじゃなくてバナナスタンドだよ」と言うかもしれない。でも今回のタイトルとしては、バナナスタンで正しい。なぜなら、カセットテープに入っている日本語吹き替えではバナナスタンと言っているからだ。

この「秘密の言葉」が最初に使われたのは、おそらくThe Hot Rockという映画だ。映画の中で、銀行の貸金庫の中のダイヤを盗むために、貸金庫室の管理人に催眠術をかけて言う事をきかせようとする。その秘密の言葉がアフガニスタン・バナナスタン(ド)だ。原語ではafghanistan banana standと綴り、つまりは本来バナナスタンではなくバナナスタンドだ。DVDの日本語字幕でも「バナナスタンド」となっている。ところが、はるか昔にテレビで日本語吹き替えされた時は、バナナスタンと言っていた。これはなぜだろう。ひょっとすると、「字幕は読むもの」「日本語吹き替えは聞くもの」という違いが影響しているかもしれない。この秘密の言葉は、たぶん-stan -stanで韻をふんでいるつもりだろう。原語ではstandの最後に-dがあるが、この語末の子音は強調されないから、あっても韻をふんでいるように聞こえると思われる。ところがこれを日本語にするとスタン「ド」で、日本語の「ド」は母音を含み、音節を形成する。これでは、-stan -stanの韻に聞こえなくなる。だから「聞くもの」である日本語吹き替えを担当した翻訳者は、あえてアフガニスタン・バナナスタンと綺麗に韻をふませたのかもしれない。(どうせこれは呪文だから、スタンドと訳さなくても映画の理解に支障がない。)でも同じ事をDVDの字幕でやると翻訳者は批判されるかもしれない。字幕は「読むもの」で、字幕の発音はほとんど意識されず、そのぶん意味が集中的に意識されるし、人によっては原語字幕と日本語字幕を対比しながら映画を聞いて英語の勉強をしようと考えるかもしれない。そういう状況でstandをスタンとは訳せない。やはりスタンドと訳さなければ。

この映画の知名度はというと、一部の人にはかなり好まれ、知られているのだが、それ以外の人にはまったく知られていないようだ。はるか昔、私が子供の頃、ラジオのパーソナリティーが投稿を読んでいた。その投稿の最後が「アフガニスタン・バナナスターン」と締めくくられていた。投稿を書いた女の子はこの映画が好きだったんだろう。ところがそのパーソナリティーはアフガニスタン・バナナスタンを知らなくて、何だこれ、みたいな事を言っていた。私は残念だった。そういう時はすかさず貸金庫室の管理人の真似をして催眠術にかかったふりをしてほしかった。

さて、今までの私の記事では、こういう展開になるとカセット音声に動画を付けたものをUPしたのだが、今回は私が持っている動画が日本に権利者のいるDVDだから、権利者に睨まれる事は避けようと思う。だからカセット音声のみのUPだ。そのせいで映画の場面の把握が困難だが、勘弁してくれ。


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