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我が家の薄型液晶テレビと平面ブラウン管テレビ [手記さまざま]

我が家に2台のテレビが来てから少し経ちました。前の記事をご存じない方も多いでしょうから書きます。1台は薄型液晶テレビでシャープ、もう1台は平面ブラウン管テレビで三菱。その後、書きたいことができたのでご報告します。

実はテレビに満足しているのは、新型液晶テレビを買った母ではなく、ブラウン管の末裔を買った私のほうです。不思議でしょ。人生ってそういう不思議が時々あります。

まず私のブラウン管テレビから書きましょう。前に一度書いたとおり、このテレビは工場出荷時の調整では画面が明るすぎて人の頬などの陰影が出ませんでした。それでテレビ裏の小蓋を開けてツマミを再調整し、「明るすぎて陰影が白く潰れる」こともなく、「暗すぎて暗いシーンが黒く潰れる」こともないギリギリの調整をしました。そういう調整は必要でしたが、それをした結果、私にとってはほとんど文句のないテレビへと変貌しました。

このテレビは安いテレビなのでシンプルです。取扱説明書が薄くて、楽に読めて、そこに機能は全部書いてあります。そのシンプルさがむしろ正解。必要にして充分。母の新型液晶テレビは多機能で、説明書を読破するのは疲れましたが、結局実際に使いたい機能はかなり限られたものでした。

このテレビは、電源を切ってかなり時間が経ってからカチッとか音がすることはありません。だからこのテレビで正解。えっ、そもそも電源を切ってから音がするわけないって? そうおっしゃるということは、あなたは地デジチューナー付きの薄型液晶テレビをお持ちでないのかもしれない。私自身は持ってないけど母が持っていて、これが夜中でもカチカチ言います。うちは各自の部屋にテレビを置いて、同じ部屋に夜は布団も敷きます。つまり寝ている時にカチカチ音がするのは安眠妨害なのです。私のテレビは安眠できます。

では不満点はないか。以前に書きましたが、個人的には明るくなっても光らないのが少し悲しい。私事ですみませんが、私はウルトラマンのスペシウム光線が敵に当たって爆発する時、撮影で使用した火薬の閃光がマグネシウムの燃焼のように光ってほしいのです。昔のテレビでは当たり前に光りました。今のテレビ(平面ブラウン管)では、そういう光は白く潰れます。光るのでなく、白くなる。それだけが残念です。

次に、母の薄型液晶テレビについて。今のうちに書いておきますが、ここから後の記述は個人の感想です。嘘は書かないけれども、参考になさる時にはよく考えて情報を取捨選択してください。また、メーカーを批判する意図はありません。

このテレビがうちに来て間もない頃、まず母が言いました。このテレビは反応が遅い、と。チャンネルボタンを押してからその番組が出るまでに、ひと呼吸かかるそうです。母は昔のテレビの感覚でチャンネルボタンをポチポチと次々に押して、パッパッと変わる番組の中から見たいものを選ぼうとしたんですが、昔と同じようにボタンを押してゆくとテレビが反応してくれないのだそうです。ボタンを押して「ひと呼吸」の間に別のボタンを押しても、それは認識されない。

次に母が苦情を言ったのが、上にも書いた夜中のカチカチでした。母は寝る前にテレビを見て、眠くなったらテレビを消して寝ます。ところが消した後でもカチッ、カチッと音がするので睡眠を邪魔されるのだそうです。寝つきのいい人は「何だそれ位で」と思うでしょう。でも世の中には不眠症の人もいることをどうか知ってください。お年寄りはなかなか寝つけなくなる、ということもあるのです。電気屋でテレビの実物を見て、店員の説明を聞いてから買ったけれども、こういうカチカチのことは買った後で初めてわかる。母はそう言っていました。

そしてついに母がブチ切れてヒステリーを起こしたのが、ある日とつぜん画面が黒くなって「受信できません」と出たままどうしようもない。これを読んだあなたは「そんなばかな」と思うでしょう。そう、確かに、そんなばかなことが新型テレビで起きるはずがない。だからこれから説明します。

まず、現在のテレビの複雑な事情をお年寄りが理解できると思ってはいけない。地上波にアナログとデジタルがある。これだけでも私は母に説明するのに苦労した。その他にBSとCSがある。でもうちはBSもCS110も関係ない。関係ないことをくどくど説明してもお年寄りは忘れる。ところが他方では、今どきのテレビのリモコンにはあまりにも多くのボタンが付いている。ひしめきあっている。あるボタンを押す時に、隣のボタンも押してしまって何の不思議があるだろう。

つまり母は、チャンネルボタンを押す時にそのすぐ下のBSボタンも押してしまったらしいのです。でも本人に自覚はない。BSのことはよくわからん。買う時に親切な店員さんが「変な画面が出たら『戻る』ボタンか『終了』ボタンを押せばいい」と教えてくれた。母はそれをちゃんと覚えていて『戻る』も『終了』も押してみたが、依然として画面は黒くて「受信できません」。困って色々試した末、母は「こんなテレビいらない!」とヒステリーを起こした。

もちろん、わかってる人なら何でもないことです。地デジのボタンを押すだけで解決します。でも私は悲しいです。70歳を過ぎた母は、困った時は「戻る」か「終了」と、ちゃんと覚えていました。偉いんです。でも「現実」は、自分の家に関係のないBSやCSのことまで知っていろと、70歳を過ぎた母に要求しています。たかがテレビのはずだったのに、どうしてこんなに複雑になっちゃったんだろう。

その後私は苺の透明プラスチック箱を切って工作して、地デジ BS CSの横一列のボタンの上にかぶせ、そこのボタンを間違って押さないようにしてあげました。ところが今日また、画面がBSになったのです。結果から考えてBSボタンを押したとしか思えない。透明プラスチックをかぶせてあるから、ちょっと触れた位では押せないはずなのに。

数日前、母が私に言いました。「このテレビって2画面同時に見れるのよね」と。母はチャンネルボタンをポチポチ押しながら番組を探すので、2画面同時だとやりやすいと思ったのです。母は母なりにこのテレビを使いこなそうとしている。嬉しいじゃありませんか。でも残念ながらうちのテレビの場合、地デジとアナログの2画面はできても地デジと地デジの2画面はできません。うちは電波状態が悪いので、アナログはものすごい劣悪画像なのです。だから地デジに変えたのです。アナログは駄目なので、どうしても2画面になりません。

その日の晩、三菱のテレビの説明書を読んでいたら、ステレオCMになって音量が突然大きくなるのを防ぐ機能(ステレオになったら音量下げる)というのがありました。そういえば母はこの突然音が大きくなるのをすごく嫌がっていた。私はすぐに母のテレビの説明書で同じ機能を探しました。今度こそ母に適した機能を発見した・・・と思ったのですが、こっちのテレビにはそういう機能はありませんでした。リモコン上には使わないボタンと機能がひしめきあっているというのに、本当に使いたい機能は皮肉にも見つからなかった。私は悲しくなってしまいました。

もちろん誰が悪いわけでもなく、何が悪いわけでもない。でも、こんな皮肉もあるんですね。

教訓:お年寄りには、機能限定・シンプルボタンの家電製品が優しい! 世の中、必ずしも高価ならば良いとは限らない。適材適所。


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コメント 2

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ワンセグチューナー

ポータブルのワンセグチューナーを探しているんですが、
USB接続のタイプばかり・・・
あちこち回ってやっとこれを見つけました。
値段もそこそこなんですけど、実際使ってみないとわからないかな。
たぶんAVケーブル接続タイプのワンセグチューナーの中では
最小クラスだと思うけど・・・
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by ワンセグチューナー (2007-03-19 12:22) 

blueclouds

ワンセグチューナーさん、コメントをありがとうございました。
この商品はすごいですね。こんなに小さくてこんなに高機能。
他にも同じサイト内で色々発見がありました。
by blueclouds (2007-03-19 21:14) 

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