SSブログ

カンボジア アンコールワット遺跡ほか観光(4) [旅行 海外]

パッケージツアーでカンボジア旅行をした時の耳寄り情報を書きます。今回はその4回目。

今回は、遺跡の他にどんな見どころがあるか、各種ミニミニ情報、お年寄りが参加できない目的地はどれか、の3つです。

**** 遺跡の他にどんな見どころがあるか ****

カンボジアといえばアンコールワット。次がアンコールトム。インターネットで調べると、遺跡に木がからみついたものすごい写真が見つかって、これがタプローム。「東洋のモナリザ」というキャッチフレーズが何となく気になるバンテアイスレイ。パッケージツアーではこれらをメインに回ることが多いと思います。これらは全部遺跡。結局カンボジア旅行って遺跡めぐりなのか?

ところが他のツアーメンバーは色々研究してました。皆さん、さすがです。私が参加したツアーはちょっとした特色があって、4日目に1グループにガイド一人と車一台が付いて、好きな所へ行けるというものでした。私たち以外のツアーメンバーは遺跡はもう充分という考えで、遺跡以外の場所へ行きました。

市場へ行って庶民の生活を見たいという人がいました。私も時間が余ったので市場(オールドマーケット)を見に行きました。市場は複数箇所にあると思うんですが、私が行った所は通りに面した店が観光客目当ての土産や品物を置き、奥へ入ると庶民の生活物資を売っていました。野菜売り場などは興味深いんですが、近くに干物もたくさん吊るしてあって、とても臭かったです。

トンレサップ湖へ行って遊覧船に乗ると言ってる人がいました。私は知らなかったので行きませんでしたが、いま調べたら水上集落があるそうです。興味のある方はお調べください。

気球。15ドル。上がって上空から景色を見て降りてきます。現地ガイドさんいわく、午前より午後のほうがアンコールワットへの日の当たり具合が良いそうです。360度見渡せますが、おもに見えるのはアンコールワット、バイヨン、西バライの貯水池。

映画で有名になった大量虐殺の地「キリング・フィールド」を見に行った人もいます。

**** 各種ミニミニ情報 ****

パッケージツアーにアプサラダンスのディナーショーが付くことは多いと思います。私たちは後ろのほうの席だったので小さくしか見えませんでした。この時、ツアーメンバーの中に高性能の携帯望遠鏡を持ってる人がいまして、おそらく8~10倍くらいの倍率でした。これで見るとダンサーがまるで別人のよう。顔のメイクや指の感じなど、肉眼とはまるで違って見えました。私のデジカメの3倍ズームでは駄目でした。高性能望遠鏡を持ってる人は少ないですが、ビデオカメラを持ってる人は多いですよね。ビデオカメラには10倍光学ズームが付いているはず。もしも後ろのほうの席だったら、試しに8~10倍にズームしてみてください。

上記の10倍ズームは、バンテアイスレイの「東洋のモナリザ」でも使えます。この遺跡の周囲にはロープが張ってあるので、「東洋のモナリザ」には近寄れません。遠くから見ます。私のデジカメの3倍ズーム程度では大きく見えませんでした。でもビデオカメラの10倍ズームなら、きっと大きく見えます。

たいていのツアーではアンコールワットから日の出を見ると思います。私たちが行ったクリスマス頃は遺跡の右側から日が昇りました。遺跡からは少し離れていました。でも太陽というのは季節によって日の出の位置が変わるんですよね。ガイドさんによると、春分の日頃にはちょうど遺跡のあたりから日が昇るらしいですよ。

パッケージツアーには、よく「夕日に映えるアンコールワット」の観光が入っています。これはたいてい、プノンバケン山の山頂にある遺跡の上から夕日を見るものです。「夕日に映えるアンコールワット」というキャッチフレーズを読むと、「夕日を見にアンコールワットまで行くんだな~」と思うでしょ? 違うんです。山登りです。私は、まさか山登りが待っているとは思いませんでした。おまけに、頂上にある遺跡はアンコールワットの第三回廊への急な石段と同様のもの。そして苦労して頂上まで登ったら、アンコールワットは遠くの方に小さく見えるだけ。ここはアンコールワットを見るためでなく、夕日を見るのがメインです。広大な平原に沈む赤い夕日が美しいです。もしも当日雲がなく、「沈む夕日の絶景」を見たい方は、プノンバケン山の頂上で日没までねばってください。早々と降りてゆく人が多いけど、夕日は沈む直前が美しいのです。あとひとつミニ情報。この山にいると人や象が歩くたびに埃が舞い上がり、埃まみれになります。(象の道は人とは別個ですが、山麓の待ち合わせ場所は象も歩きます。)(雨季は雨で地面が湿っているのかどうか?それは知りませんが、私が行った12月は埃まみれです。)ホテルに帰ったら風呂に入って髪も全部洗うことになります。私は直前のお昼休みに髪を洗っていたから、また洗う羽目になってしまいました。

ツアーによってカンボジアへの入国、カンボジアからの出国の時間は色々でしょうが、たまたま私のツアーでは入国時が日没前でした。この時刻にシェムリアップ空港の大地に降り立つと、沈みゆく太陽が赤い太鼓のように地平線上に浮かんでいるのが見えます。地平線には椰子の木が独特の形のシルエットを作り、まさに異国の美景です。日没はプノンバケンから見るツアーが多いですが、万一雲があると見えませんから、もし空港で夕日が見えればチャンスを逃さずに写真を撮っておくことです。

いっぽう出国が夜で翌朝日本に着く場合は、飛行機に乗る前に空を見てください。星は不思議とほとんど見えませんが、月が出ているかもしれません。ひょっとすると月の見え方が日本と違うかもしれませんよ。私が見た三日月はちょっと違いました。日本で空の高い所にある三日月を見ると、たいていは弧が斜め下(または斜め上)になっていますが、カンボジアで見た空の高い所にある三日月は弧がほぼ「真下」に向いていました。

そして翌朝日本に着くならば、日の出が見られます。私が見た時は雲海からの日の出でした。真っ暗だった外の景色に横一文字に青い光の帯と赤い光の帯ができ、次第に光が強くなると青・水色・黄色・オレンジ・赤の虹のような縞になります。やがて青と赤の間が強く光り始め、青と赤はこの光の中に消えてゆきます。雲海から太陽が実際に顔を出すのはまだしばらく後で、私の場合は残念ながら飛行機が高度を下げてしまったので見えませんでした。飛行機ではトイレに便利なように通路側の席を望むことが多いですが、日の出が見えそうならば窓側の席にしてみては?

カンボジアの干支は、カンボジアにはイノシシがいないので、そのかわりにブタ年だそうです。

お堂(仏像が祀ってある所)に上がって何かすることは滅多にないと思いますが、私のツアーでは気をきかせて「みんなの分のお賽銭」と言って段を登りお金を置いてくれた方がいました。でも靴のまま段に登ってしまいました。ガイドさんによると、お堂に上がる時は履物を脱ぐ決まりだそうです。これはホテルでもらった紙にも書いてあるんですが、慣れていないと靴を脱ぐなんて思いつきませんよね。いちおうご注意を。

道路を走るバイク。3人乗りは当たり前。5人乗りまでは、やるそうです。実際私も5人乗りを何度か見ました。ヘルメットは高いのでかぶらないことが多い。バイクは免許がいらないので5歳児でも運転できる。さすがにそれは危ないと現地ガイドさんも言ってましたが。以上、ガイドさんの説明より。

車で遺跡観光に行く途中、路肩でビンに入った黄色い液体を売っています。母は飲み物と思い込んでいましたが、ガイドさんによるとそれはガソリンだとか。

インターネットによると、クバール・スピアンへの道は少し前までデコボコで車はゆっくり通ったらしいですが、今は違います。穴は土で埋めてあります。ちょうど私たちのツアーの直前に埋められたそうで、ガイドさんは「私たちのツアーのために埋めてくれた」と冗談を言っていました。だから今では車はひたすら飛ばして走ります。車の揺れがまるで(昇り降りこそないが)ジェットコースターのようです。埋めたとはいえ、それが仇になって、対向車が通るとものすごい砂埃が巻き上がります。(雨季は雨で地面が湿っているのかどうか?それは知りませんが、私が行った12月は砂埃です。)車内にも砂埃が入ってきました。私と母は風邪をひいていたのでたまたまマスクをしていましたが、マスクでは防ぎきれません。とはいえ、何も付けてないよりはましかも。クバール・スピアンの砂塵舞う道を行く時はマスク持参か?

さっきも書きましたが私のパッケージツアーは少し特色があり、4日目に1グループ(たとえば母と私の2人)にガイド一人と車一台が付いて、好きな所へ行けるというものでした。これはもちろん、好きな所へ行けるというのがメリットですが、ガイドと車が貸し切り状態だから気分がいいです。今どきの言葉でいうとプチセレブ気分。

**** お年寄りが参加できない目的地はどれか ****

まず大前提。パッケージツアーのカンボジア観光はバリアフリーという言葉とは無縁です。階段を登らずには済みません。有名なアンコールワットの第三回廊への急な石段と同様のものは、夕日を見るプノンバケン山の頂上の遺跡にもあります。そこまで急なものでない階段や梯子なら、アンコールトムのバイヨンをはじめとして、どこにでもあります。だから膝が痛くて階段の昇り降りに苦労なさる方には向きません。

うちの母はあと数日で70歳、幸いにして膝が痛いということはなく、買物などで普通に外出できます。ここでは、その母が体験したことを元にして色々書きます。

まず、よく急な階段として話題に上るアンコールワットの第三回廊への石段。あれは、母によると大丈夫だそうです。テレビやインターネットで見るとものすごく急で、こんな所を無事に登って降りてこられるのかと思います。母も日本にいる時は無理だと思っていたそうです。だから私は母につきあって階段に登らないつもりでした。そしたら何を血迷ったか(笑)、母が登ると言い出した。びっくりしたね。で、事実登って、降りてきました。お年寄りでも大丈夫な理由があるんじゃないかな。石段は急だが体力は使わない(いっぽう、お年寄りに体力を使わせるのは酷です。これについては下のほうで書くことになります)。登る時は下を見ない。これはよく言われますね。私は、今しがみついてる石段を見て登りました。もちろん手も使って登りました。まるでトカゲになったように石段にへばりついて。

アンコールワットの第三回廊への石段はいくつかあって、そのうちのひとつだけに手すりがついています。これが「降りる時」用です。登る時は手すりなしの石段で登り、第三回廊をぐるりと一周し、降りる時は手すりつきの石段で降ります。これが順路で、私たちのツアーではそうしました。ところが、別のツアーに参加した人は手すりなしの石段から降りるように言われたそうです。それは、順路に従うと降りる時に長蛇の列に並ばねばならず、とても時間がかかるから。びっくりですよね。でも母がこんなことを言い出しました。手すりがなくても降りられる、と。別のツアーに参加した人が降りるコツも話してくれたそうで、荷物は背中に背負わない。腹側に身に付ける。母は、これをやれば手すりなしでも降りてこられただろう、と豪語しております。

こういうわけで、アンコールワットの急な石段は、母の実体験により、お年寄りでも登頂が可能という結論が出ました。ただし、雨の後で石段が濡れていたらどうか、とりわけ手の力や平衡感覚が弱いお年寄りはどうか、雨季の蒸し暑さの中でクラクラしていたらどうか、という所まで保証するものではありません。私は私の母の体験を正直に記しました。後はこれをお読みになった方が、ご自分でご判断ください。

さて、次の検証。プノンバケン山の山頂からの夕日鑑賞。いわゆる「夕日に映えるアンコールワット」観光のこと。上にも一度書きましたが、これは山登りです。アンコールワットの石段よりも、こちらの山登りのほうが大変でした。小山とはいえ山登りだから体力が要ります。私だって疲れましたから、母はもっと大変だったでしょう。

こういうわけで、「夕日に映えるアンコールワット」には「お年寄り参加注意報」を発令させてもらいます。お年寄りは、あまり興味がないなら行かないことを勧めます。現地係員(ガイド)と一緒に麓で待っていればいい。苦労して登ってもアンコールワットは遠くに小さく見えるだけ。もしも雲があるなら、夕日鑑賞もできません。

でもこれは「注意報」です。「警報」ではありません。私の母は、頂上まで登りました。「ぜひとも沈みゆく夕日の絶景を見たい」というお年寄りは、頑張って登ってみてください。

さて、次の検証。クバール・スピアン。ツアーカタログには、「クバールスピアンは片道40分ほどのハイキングとなります。途中2・3箇所、急なところがありますので滑りにくい靴でご参加ください」と書いてありました。このハイキングというのがクセモノで、ハイキングという言葉は必ずしも平地を歩くことではなく、山登りも意味するのです。旅行前に私はインターネットでクバールスピアンを調べました。すると川床にリンガが彫られた遺跡だそうです。そうか、川へ行くのか。奥地の川まで舗装道路がないから長々と歩いて行くのかと思いました。川へ行くために山登りをするとは思わなかったのです。インターネットには歩いた人の感想もあったけど、そういう人って普通若くて体力あるでしょ。だからたいしたことなかった、軽装で大丈夫という書き方がしてある。ところが、いざ行ってみたらホンモノの山。プノンバケンみたいな小山ではありません。岩あり、木の根あり、急坂も所々にあり。母がバテて、途中何度か休憩させてもらいました。

「お年寄り参加警報」発令! お年寄りは行ってはいけません。母が後で「あれだけ苦労して登って何があるかと思えばあんなものだけ。昨日(アンコールワット)はとても良かったが今日は良くなかった、昨日だけでよかった」と愚痴をこぼしました。お年寄りにはこの道行きは大変すぎて、目的地の価値が苦労に見合わないのです。行ってはいけません。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

コメントの受付は締め切りました
blueclouds

訂正です。月の弧がほぼ真下に出ることについて。それはその通りだったんですが、日本でも時刻・状況によりそのように見える時があります。だからカンボジア(外国)での特別な見え方ではありませんでした。すみません。
by blueclouds (2007-10-31 07:30) 

トラックバック 0