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第四の生き甲斐を探します91 [手記さまざま5]

「怪奇な恋の物語」をようやく見た。ブルーレイが届いてから何日経っただろう。私の幼少期の強烈な記憶を含む映画のはずだが、でも今は時期が悪い。生き甲斐を失って心が弱り切っている時に見るタイプの映画じゃない。それで視聴が遅くなった。

今日は申しわけないが、この映画を見た感想を記録させてほしい。私の個人的感想など他の誰も読みたくないのはわかっているが、私の幼少期の何かを決定づけた映画なので、人生の記録を残さねばならない。

以下、感想。

冒頭から狂ってる。BGMも映像も。こんなの見て子供(私)が育つと、それはとんでもない情操教育になる。これは私が今までに見た中で一番狂った映画だ。

すぐに、異常なシーンは主人公の妄想または幻覚なんだなとわかる。

主人公がスライドを見る。写真の中におっぱい多いなあ。3つあったり、片方伸びてたり。

主人公が作品を作り始めると、チーン、チーンと音がした。こんな音がドラマ「トリック」の中で鳴らなかったかなと思った。

だが、ある意味芸術的なシーンもある。当時の流行りかもしれない。綾波が自分の生まれた殺風景な場所を愛するように、私は幼少期に見たこういうシーンから、そういうものに芸術性を感じるようになったのかもしれない。

映画の最初のほうには引かれるものが沢山あった。映像も音も。ところが、中盤には何も感じなかった。記憶にないということだ。私がこれを見たのは子供の頃だから、集中が続かずにテレビを点けっぱなしにして他のことをしていたのかもしれない。それとも、そもそも当時の私にとっては意味のないシーンだったのだろうか。

やがて、私の記憶にあるシーンが来た。男と女が行為に及んでいるのを他の男が隠れて見ているシーンと、女が機銃掃射で死ぬシーン。ところが昔見た時のインパクトがない。私の記憶違いか? それとも、リマスターだから映像が綺麗すぎるからか? 昔見たテレビ画面はもっと煤けていたと思う。

ラストで精神病院の一室にハガキ大の絵が無数に下がっているのは、ほぼ記憶通りだ。絵の真ん中に何か付いている作品が私の記憶では一枚だけだったことだけが、記憶と違う。

結局、この映画にかんしては私の記憶は断片にすぎなかった。男どもと主人公を虜にしたヴァンダが記憶の中で全然意識されていないのだから。ただ、映像と音楽は私の感性に確実に影響を及ぼした。