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第四の生き甲斐を探します3 レコード音声のデジタル化 [手記さまざま5]

子供の頃のものを懐かしむのは、実は懐古趣味とは違います。なぜなら今の私は今の私だからです。子供の頃の私ではありません。たとえば、少し前の記事に私が「仮面の忍者赤影」を視聴していると書きました。子供の頃の私は怪獣のシーンばかりが印象的でした。ところが今は、チャンバラのシーンに注目しています。子供の頃にはどうでもよく、怪獣が出て来るまでの場つなぎに思えたチャンバラが、年をとった私にはようやく魅力的に思えるようになったのです。刀の切っ先が触れ合う時のキン、キンという効果音が打ち合いにピッタリ合うととても爽快な気分になります。このように、ひとつの対象を同一人物が見る場合にも、子供の頃と年をとってからでは見かたが変わります。それは懐古でなく、新しい発見です。
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でも「仮面の忍者赤影」は、私にとって「第四の生き甲斐」ではありません。赤影は、去年から頑張っている「過去にやり残したことをやってしまいたい」という一連の行為に属します。「生き甲斐」というのは、「過去にやり残したこと」ではなく、「今やりたい」または「これからやりたい」ことでなければいけません。それを私は探しています。さあ、前回の続きを書きましょう。

レコードを処分する前に保存する作業、前回はジャケットを画像として保存する話でした。今回は、音声をデジタル化する話です。

私が保存した音声は2種類あります。ひとつは、将来の転居が不安になった時点でデジタル化したもの。つまり私が大人になってからレコードを再生し、デジタル化したものです。もうひとつは、はるか昔、まだ私が若かった時、レコードの扱いがとても面倒なので日常鑑賞用にVHSビデオテープのHi-Fi音声トラックに録音したものです。

なぜレコードの扱いがとても面倒だったかというと、何の因果か私のレコードプレーヤーで演奏すると、演奏後にレコード盤が多量の静電気を帯びたのです。それで周囲の塵を吸い付け、クリーナーで拭いても拭いてもまた塵が付いてエンドレスという状態になりました。それで私は、レコードを演奏した後は当たり前に静電気がすごいのかと思っていましたが、他の人に聞くとそんなことはないという答えが返ってきました。とにかく、私は大変だったのです。それで考え出したのが、日常鑑賞用に録音を作るという案でした。VHSビデオテープのHi-Fi音声トラックはステレオで、音質もかなり良いです。しかも3倍モードで録画(録音)すれば、1巻に6時間も録音できます。もちろん欠点もあり、ビデオテープに傷が付くと、Hi-Fi音声トラックに不快なビビビ音が発生します。

こうして2種類のデジタル化音声が私の手元に残りましたが、この2つにはそれぞれ長所と短所があります。

私が大人になってからデジタル化した音声は、最初から可能な限り高音質での保存を目指していたので、当時の私が手持ちの機器と知識でできる限りのことをしました。レコードプレーヤーは使う前にメンテナンスに出し、針は若い頃に買っておいた新品のダエン針を使用し、端子の接続もサビのない状態にし、保存はmp3でなくwavのままとし、CDの音質で保存しました。それでもこの音声には、いくつもの欠点があります。最大の欠点は、長年の間にレコードの音構にごみ(カビ)が入り、ブツブツノイズが増えたことです。新品のダエン針を使用したのは果たして良かったのかどうか、音構の奥に入り込んだごみ(カビ)までも音として拾ってしまった可能性があります。あと、当時の私はCDの音質で十分だと思い込んでいましたが、サンプリング周波数をDVDの音質にまで上げておくべきでした。

いっぽう若い頃にVHSビデオテープのHi-Fi音声トラックに録音したものは、まだレコードの音構に今ほどごみ(カビ)が入っておらず、ブツブツノイズが少ないです。これが唯一の長所かもしれません。短所はいくつもあります。いくらHi-Fi音声トラックでも、後年にwavとして保存した音と比べると再現力はひどく劣ります。トラッキングがずれるとHi-Fi音声トラックでなくノーマル音声トラック(モノラル)出力になってしまいますが、これはビデオテープを再生して記録可能DVD経由でパソコンに入れる時にトラッキングをマニュアル調整にしチェックして気を配りました。だからトラッキングずれによるモノラル化はありません。それでもビデオテープに傷が付いた部分では、不快なビビビ音が発生します。そしてもうひとつ、音声フォーマットがac3だという欠点があります。元がVHSビデオテープで、それを記録可能DVDにダビングしたので、ファイルはMPEG-2です。劣化を起こさせずにこれを保存するには、アプリでmp3やwavに変換するのを避けるべきだと私は考えました。MPEG-2コンテナの中にあるac3音声をそのまま保存するべきだ、と。なぜMPEG-2コンテナのまま保存しなかったかといえば、VHSビデオテープ3倍モードで6時間、それが10巻以上あったからです。ハードディスクの空き容量を圧迫します。しかも、音声は大事ですが映像は「何も記録されていない6時間」×10巻以上、です。これをそのままハードディスクに保存したら、容量のとんでもない無駄遣いです。そこで私はMPEG-2コンテナからac3音声を取り出して保存しました。これが、私の判断ミスだったかもしれません。ac3という音声フォーマットは、wavに変換できるアプリがとても少ないのです。

私は過去にも調べましたが、今回も改めてネット検索しました。まず、オンラインで変換するサービスは全部却下です。なぜなら、6時間ものwavが一体どれほど大きなサイズのファイルになることか。それをダウンロードするんですよ。ギガを使い果たしてネットに繋がりにくい今の私には無理です。あと、wavはその規格上、長さはせいぜい3時間位までのはず。変換アプリやオンラインサービスでは恐らく複数のwavに分けて出力されるとは思いますが。

オンラインサービスを却下となると、残るはアプリです。ac3をwavに変換するアプリは少ないです。私が見つけ出したのはEcoDecoToolとUniConverterの2つだけです。これらのうちEcoDecoToolは私も所持していますが、試してみたらエラーが出てac3は変換できませんでした。ネット上のあるサイトには変換できると書いてあり、矛盾します。バージョンアップに伴い変換できるようになったのかもしれませんが、最近は更新していないようです。私はこの件をはっきり調べなけれぱいけませんが、それは次回の記事まで待ってください。

もうひとつのアプリUniConverterは、その機能をすべて使うには有料版を購入する必要があります。無料版の場合、フォーマット変換は1/3の長さまでだそうです。私はお金を払ってまで、この方法を試すつもりがありません。なぜなら「最後に残された中途半端な解決策」を私が知っているからです。ただし、はるか昔、私がまだ元気だった頃に試したきりなので、今から調べ直さなければなりません。これについても、次回の記事までに何とかします。

つづく