ふと西武美術館を思い出した

ふと池袋西武にあったART VIVANTと西武美術館を思い出した。昔私は長距離通学をしていて、定期券を使えば池袋まではわずかな運賃で行けた。まだ若かった私には感性が残っていた。私は池袋西武最上階のあの場所の雰囲気が好きだった。それから長い年月が過ぎ、私も世の中も変わった。そう、変わったのは私だけではなかったようだ。デパートは昔のようにやってゆけなくなり、西武美術館は消滅した。それでも世の中は続き、新しい世の中は決して悪くないけれども、すでに若い頃の感性を失った私が見たり聞いたりするものはどれも私の脳には無味乾燥に映り、ある時ふと昔が懐かしくなる。でも西武美術館はもうない。ネットで写真を探したが、あの場所の雰囲気を思い出せるような写真は見つからなかった。

若い頃の私は他の美術館へも行ったので、西武美術館で見たとはっきり言えるものは少ない。でもいちばん印象的だったのは小便器との出会いで間違いない。展示室の床に小便器が置いてあった。


ヴンダーリッヒという人の変な絵を見てみたこともあった。