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レコードプレーヤーがついに(4) [  レコード(補完計画)]

昔のVHS時代のOVAを調べて懐かしさに現を抜かしている間に、レコードプレーヤーの修理が完了して戻ってきた。私は性格的に、ひとつの事に興味が湧くと一時的にそればかりを見てしまう。複数の物事の同時進行が苦手だ。

で、前回のプレーヤー関係の記事(3)が梱包に必要なものを手に入れた話だから、次はプレーヤーを梱包・発送した記事を書くはずだったが、OVAを懐かしんでいる間に発送どころか修理も終わってプレーヤーが戻ってきた。急いで記事の続きを書かなくちゃ。

話の順番として、やっぱり梱包・発送の話から先に書くしかない。

2014年9月に修理を決定、修理してくれる人へ発送するための梱包用品を購入しておいた。10月3日、プレーヤーを掃除して梱包。

まずは掃除機のノズルと古歯ブラシで、コードを中心に埃を除去。コード以外の部分はカレンダーの大判紙をプレーヤーの大きさに折り曲げてかぶせてあったので、埃はそれほど入っておらず、掃除機で吸ってせいぜいティッシュで拭く程度。ただしトーンアームとシェルの接続部をブラシで掃除した時などは、白い粉がポロポロと落ちた。錆かもしれない。プレーヤーケースの縁、つまりダストカバーの端で埃が付きやすい所を中心に、かなり錆が出ている。これは今のようにプレーヤー全体を紙で覆うよりも前に簡易的に覆っていた時に入り込んだ埃が湿気を吸って錆になった可能性もある。トーンアームのバランスウェイトにも錆が出ていた。しかしこれは経験済みで、プリメインアンプのつまみにも錆は出ている。湿気が気になるような場所になくても、5年10年と経過するとつまみのメッキなどに錆は出る。クリーニング液等で一時的に錆を落とすことはできるが、数年経つとまた出る。

最初は錆落としもするつもりだったが、それをしていると梱包が遅れるのでそのままにした。

発送前に写真を撮った。

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写真を撮りながら気づいたが、ダストカバーにいくつか傷がある。若い頃に線香に火をつけた時にマッチを落としてしまった焼け焦げと、うっかりオーディオタイマーを落としてしまった時の傷だ。レコードプレーヤーを出してくる前は私以外の人にとっても昔の貴重な機械だと思っていたが、とんでもなかった。いざ出してみると錆だらけの傷だらけで、他人から見れば価値はない機械だ。むしろ若い頃の自分が付けてしまった傷が個人的に貴重な思い出だ。

レコードプレーヤーを出すだけでなく、オーディオ機器周辺の掃除もする必要があった。プリメインアンプから抜いたフォノ端子コードはオーディオ機器の後ろ側の隙間で埃だらけになっていた。短くて5年、ひょっとすると10年のあいだ積もった埃だ。これをしっかり掃除した。

レコードプレーヤーを置いてあった台も手前に動かし、裏の埃を掃除した。なぜプレーヤー台まで掃除したのかというと、この台はレコード収納箱でもあり、その中にオーディオ機器の取扱説明書も保存したと記憶していたからだ。プレーヤーのターンテーブル回転速度を調節するためのストロボ縞目が50Hz用と60Hz用の2種類あり、どちらが50Hz用かを正確に確認するために取扱説明書を見たかった。これによって、「既定の速度にならない」という私の認識が正しいことを確認してから修理に出す必要があった。

果たして、記憶のとおりにプレーヤー台にはレコードが入っており、スペーサーとして広辞林の箱があり、取扱説明書もあった。
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驚いたのは、埃がまったくと言っていいほど入っていなかったことだ。さらに、レコードは種類ごとに5枚位ずつまとめて昔のごみ出し袋に包まれていた。手前のガラス扉部分は大きな隙間が開いているが、収納箱前面を昔のごみ出し袋で覆って埃の進入を防いでいた。私がここまでしたのには理由がある。まだ子供の頃に大事なレコードに小さな黴が生えたことがあった。湿気取りのつもりでゼリー状の吸湿剤をレコードの上に載せていたら数ヵ月後に水が滴る状態になっていて逆にレコードジャケット上部にシミを作る結果となったこともあった。そういう過去の残念な経験が、私に完全空気遮断という方法をとらせた。

左半分のレコードが倒れて、スペーサーである広辞林の箱に寄りかかっていた。本来は収納箱の左壁に寄りかかっているべきものだ。2011年の大地震のせいと思われる。写真撮影後に直した。

取扱説明書は、急いでいたせいもあり、後でゆっくり見るためもあり、デジカメで撮影してすぐに仕舞った。同じ機種を昔もっていた人には懐かしいかもしれないので、写真を出しておこう。ただし、撮影時に明るい部屋はプレーヤーを出したり台の裏を掃除したりと大変な状態だったので、暗い部屋で撮影したから写りは良くない。
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私が見たかったのは、下の写真の左下だ。上段のストロボ縞目が50Hz用だということを確認したかった。
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こうして収納箱裏の掃除も取扱説明書の確認も終わったので、収納箱は元に戻し、レコードプレーヤーの梱包にとりかかった。梱包方法はネット上の記述を参考にした。シェルをトーンアームに付けたままにするかどうかは迷ったが、取り外して針部に厚紙の囲いを付けてからプチプチで包み、プレーヤーケースの上に養生テープで貼り付けた。電源コード、フォノ端子コード、アース線はプレーヤーケースから直出しになっているので、段ボール箱の中でここが押されて強く折り曲がらないように両脇にプチプチを付けた。
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コードは束ねてプチプチで包み、プレーヤー本体に養生テープで貼り付けた。全体をプチプチで包んで、プレーヤーの包装は完成した。

次は段ボール箱の作成だ。Amazonの箱を再利用するが、この箱は形状がプレーヤーと著しく異なるので、一度バラして組み立て直す必要があった。あらかじめプレーヤーの寸法とAmazonの箱をバラした時の段ボールの大きさを比較し、大丈夫だという確認はしておいた。

よくある段ボール箱の形状に作るには段ボールの大きさがぎりぎりで難しく思えた。そこで、宅配ピザの箱のような形状を考えた。段ボールをどのように切断するか設計図を描き、設計図どおりに切断し組み立て、箱は予定通りの形に出来上がった。プレーヤーを入れてみると、予想通りピッタリのサイズだった。ところが、蓋を閉めてみてようやく気づいたことがある。蓋が箱の地まで来ていたので、その蓋をガムテープで止めるためにはテープが箱の底面にかかる必要がある。いま私はテーブルの上に箱を載せていてるので、箱をテーブルの端から少し出せば箱を持ち上げることなくテープを底面にも貼れる。しかし受け取った相手はどうだろう。ふつう、段ボールは上面のテープをはがすだけで開けられる。それが底面にまでテープが貼られていたら、開けるのに苦労するだろう。重いプレーヤーが入った箱を傾けてテープをはがさなければならない。そもそもプレーヤーは可能な限り傾けたくない。私は段ボールを箱にするという意味では完璧に事をこなしたが、その箱が開梱される時の事情を考えていなかった。できれば開け口は天にあってほしいし、そうでないならせめて蓋は箱の地まで届いてはいけない。平面に箱を置いたままでガムテープをはがせなければいけない。それで私はしかたなく、きれいに出来上がった箱の蓋部分が地に届かないようにハサミで切った。

さらに、最後に上面の隙間にプチプチを詰めようとして、ようやくわかったことがある。上面の隙間が大きすぎて、いくらプチプチがあっても足りない。これは困ったことになった。箱の上部四隅にハサミで切れ込みを入れ、段ボールを内側へ折り曲げて高さを調節した。その結果、蓋をそのまま蓋として使うことができなくなったので、蓋は箱本体から切り離した。

これらの作業の結果、箱の四隅の高さはそれぞれ微妙に異なり、蓋の四辺のうちの一辺は本体と合わさる部分がない(元は宅配ピザの箱の形状だったものの蓋を切り離したのだから、しかたがない)という、珍妙な段ボール箱になってしまった。

梱包に使う箱を作るならば、ただ箱として体裁が整っていればいいわけではないという事を私は学んだ。とにかく結果としてプレーヤーを送れる箱ができたのだから、よしとしよう。

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