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足の健康 失敗談 (1) [その他の病気]

これから数回に分けて、私が自分の足の健康について失敗したことを書きたい。

事の起こりは去年、つまり2010年の10月頃だった。それまでの私は自分の歩き方などどうでも良かった。ただ自然に、楽に動けるように動くのがいいと思っていた。たとえ他人が見て変だろうと自分が楽なのがいい、と。それがあるきっかけで、歩き方を矯正してみようと試みた。当時ブログに書こうと思っていた原稿がまだ残っているから載せておこう。


靴の裏見て我が足直せ

私は歩く時に体が左に傾く。ずっと両足の長さが少し違うせいだと思っていた。私の靴の裏は左足のほうが多く磨り減る。これも私は、短い左足に体重がかかるからだと思っていた。それ以上のことは考えずに仕方がないと思ってきた。ところで先日、新しい靴を買うために靴屋で色々な靴を履いてみた時、自分の古い靴をまじまじと見る機会があった。その時、左足の靴が多く磨り減っているだけでなく外側が極端に磨り減っているのが気になった。私はそういう歩き方をしていたんだな。左足の外側に体重をかけていたんだ。それなら歩く時に体が左に傾くだろうなあ。それからというもの、私は意識して左足の外側に体重をかけないようにして歩いている。まだ1週間くらいしか経っていないので結論は出せないが、暫くこのまま試してみようと思う。


ファイルの更新日を見ると、上の原稿を書いたのが2010年の11月2日らしい。それから私は毎日、左足の外側に体重をかけないように注意して歩いた。そうやって努力すれば、足が健康になり、歩き方も美しくなり、親から「歩き方が変だ」といちいち言われることもなくなり、そのことをブログの記事にもできる。私はそれが楽しみだった。

ところが少し経った頃、妙なことが起きた。歩くのが、歩きにくい。足を一歩前へ出すにも、何か引っかかるような不都合を感じる。でも私は、これは今までの悪い歩き方が矯正される過程のリハビリのようなものだと思っていた。そして引き続き、歩きにくいのをがまんして頑張った。体重は足の裏の外側でなくむしろ内側にかけ、つま先はまっすぐ前を向くように。

そうしたら股関節が痛くなってしまった。こうなると歩きにくいどころか歩けない。私は、とんだことになったと思った。でも何がいけなかったというのだ。変な体重のかけ方を直し、健康な歩き方にしようとしただけじゃないか。幸いなことにその時期は、職業柄学校の冬休みから春休みにかけてで、あまり出歩かなくても良かった。年をとると体の治りがとても遅くなり、まるで治らないかのようにいつまでも痛かったが、それでも呆れるほどの長い日にちをかけて少しずつ痛みは引いていった。

ある時、親と一緒に出歩いた。私は自分の変な歩き方を矯正し、もう親から「歩き方が変だ」といちいち言われることはないと胸を張っていた。股関節が痛くて歩けなくなるという災難に見舞われたが、それを越えて美しい歩き方になった自分を親に見てもらいたかった。すると私より後ろを歩いていた親が、私の歩き方を見て「変だ」と言った。これは私にとって相当ショックだった。そんなはずはない。私は美しい歩き方を手に入れたはずだ。そうでなかったら、痛くて歩けなくなる災難は一体何のためだったのだ。

親が言うには、私は足を出す時にいちいち体をひねっているらしい。左足が出る時は左半身が前に出て、右足が出る時は右半身が前に出る。これはつまり、長い間股関節が痛かったから、痛みへの恐怖が根付いていて、股関節に余計な動きを加えないように無意識に調整しているのだ。

親に「変だ」と言われた日の正確な日付は忘れてしまった。東日本大震災よりずっと前だったから、今年2011年の1月か2月だ。

私は元の歩き方に戻そうとした。変な矯正をしてしまったからこうなったのだ。何もせずに、たとえ他人から見ると左に傾きながら歩いていても、自分にとっては自然で歩きやすい形さえ保っていれば、何事もなく過ごしていられたのに。ところがそれができなかった。何か月も一生懸命矯正した結果、体がそれを覚えてしまった。昔のように体重を靴の外側にかけようとしても、どうやったらそうできるのか、もうわからない。

ここまでが、私の「足の健康 失敗談」第1期だ。この後、東日本大震災後に体験した第2期が続くが、今日はここまでにしよう。
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