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「1回だけ録画可能」を調べた(3) [手記さまざま]

前回の記事(2)は、実験の手順と結果については前回報告した通りで変更はない。ところが私は結論部で、とんだ思い違いをしていたことに気づいた。

前回は、地デジチューナーで受信した映像を直接VHSビデオデッキやDVDレコーダーに入力して録画した。これは前回報告した通り、可能だ。でも私は結論の所で「ダビングは可能」と書いてしまった。前回試した内容をよく思い出すと、これはダビングじゃない。いわば1回目の録画だ。VHSビデオデッキにせよDVDレコーダーにせよ「1回だけ録画可能」なことはわかったが、「ダビング」はどうなのか?

ちょっと面倒だったが、すでに完成していた接続をつなぎ直して再度実験することにした。今回はDVDレコーダーと「1回だけ録画可能」な番組の関係について、5つの実験をした。これだけでも何時間もかかってしまったので、今回はVHSビデオデッキまで試すことはできなかった。VHSビデオデッキはまた今度改めて。

それでは、実験5つとその結果を列挙する。結論だけ見たい方はズババッとスクロールして、最後を読んでいただきたい。

**** 実験1 ****

概要:
1回だけ録画可能な番組を新DVDレコーダーで録画する
そのディスクを他のDVDプレーヤーで再生し、新DVDレコーダーでダビングしようとする

意図:
まずはもっとも基本的な、わかりきっていることから実証。

実施と結果:
地デジチューナー付きDVDレコーダーで「1回だけ録画可能」な番組をDVD-RAMに録画。そのDVD-RAMを古いもう一台のDVDレコーダーに移し入れ、再生。その再生映像出力を地デジチューナー付きDVDレコーダーに入力。ここまでは、どちらのDVDレコーダーでも正常に映像が見られる。ただしこの状態で録画ボタンを押す(2回目の録画に相当)と、録画禁止信号が検出された旨のメッセージが画面に表示され、録画は行われない。

考察:
1回目の録画も2回目に試みた録画も新しい(CPRM対応の)DVDレコーダーによるので、2回目の録画が拒否されたのは予想される当然の結果。

**** 実験2 ****

概要:
1回だけ録画可能な番組を新DVDレコーダーで録画する
そのディスクを再生し、旧DVDレコーダーでダビングしようとする

意図:
古いDVDレコーダーは生産時期から考えてCPRM完全対応とは思えない。それならばダビングできるかもしれない。

実施と結果:
上記の「1回だけ録画可能」な番組を録画したDVD-RAMをこんどは地デジチューナー付きDVDレコーダー側に入れて再生。その再生映像出力を古いもう一台のDVDレコーダーに入力。録画可能なディスクを入れて録画ボタンを押すと、コピープロテクトがかかっている旨のメッセージが画面に表示され、録画は行われない。

考察:
意外! 解説書にCPRMの文字が見当たらない古いレコーダーだが、CPRM対応だったのか? いやしかし、まだ試すことがある。本当にこの古いレコーダーはCPRMに完全対応しているのだろうか。

**** 実験3 ****

概要:
1回だけ録画可能な番組をハードディスクに録画する
それを旧DVDレコーダーでダビングしようとする

意図:
ひとつの製品の中にハードディスクとDVDレコーダーがある場合、ハードディスクへの録画は「1回目の録画」とみなされない。おそらく一時的な保存場所とみなされるのだろう。そしてそれをDVDへ移動させる時点で「1回目の録画」とみなされ、そのDVDの中身をさらにコピーすることはできなくなる。それならば、ハードディスクから再生し、それを旧DVDでダビングすればそれは1回目の録画に相当するはずだ。

実施と結果:
地デジチューナー付きDVDレコーダー内臓のハードディスクに「1回だけ録画可能」な番組を録画。それを再生。その再生映像出力を古いもう一台のDVDレコーダーに入力。録画可能なディスクを入れて録画ボタンを押すと、コピープロテクトがかかっている旨のメッセージが画面に表示され、録画は行われない。

考察:
たしかにこの結果は正しいと言える。もしもこれでダビングできてしまうと、いくらでもダビングできてしまうことになるから。この結果は理屈として正しい。ところで、私はハッと思い出した。前回、ハードディスクに録画せずに地デジチューナーの受信映像をそのまま古いDVDレコーダーに入力した時にはちゃんと録画できたじゃないか。これはもうひとつ試すことがある。

**** 実験4 ****

概要:
1回だけ録画可能な番組をハードディスク等に入れずにリアルタイムで直接旧DVDレコーダーに録画
そのDVDディスクを新DVDレコーダーに入れ、「1回だけ録画可能」マークが付くかどうか見る
「1回だけ録画可能」マークが付かないなら、ハードディスクへのダビングを試みる

ここまで来るともう、実用うんぬんでなく意地だけで実験している。私はVHSメインで、DVDはあまり使わないのだ。でもなんか、ここまで来たら後へ引けないというか、意地になってきた。

文章が長くなってきたから単刀直入に結果に行こう。新DVDレコーダーで「1回だけ録画可能」マークは付かなかった。やはり旧DVDレコーダーはCPRM完全対応ではないようだ。しかし、「1回だけ録画可能」マークが付かないにもかかわらず、それをハードディスクへコピーすると、再生できない。コピー自体は正常に終了しましたと表示される。でも再生する時点で再生できませんと出る。再生できないのは理屈として合っている。もしも再生できたら、そこからコピーが作れてしまうから。

ところで、最後にあとひとつだけ試すことがある。ハードディスクにコピーしたものは再生できなかったが、かといってコピー自体が拒否されたのではない。ならば、コピー元DVDを再生して旧DVDで録画しようとした場合、コピープロテクトがかかっていない可能性がある。

**** 実験5 ****

1回だけ録画可能な番組をハードディスク等に入れずにリアルタイムで直接旧DVDレコーダーに録画
そのDVDディスクを新DVDレコーダーに入れると「1回だけ録画可能」マークは付かなかった
(ここまで、ひとつ上の実験と同じ)
これを新DVDレコーダーで再生。その再生映像出力を古いもう一台のDVDレコーダーに入力。
録画可能なディスクを入れて録画ボタンを押すと、コピープロテクトがかかっている旨のメッセージが画面に表示され、録画は行われない。

**** 結論 ****

これで、いま試せることは全部試したと思う。メーカーはしっかり考えて作っている。CPRM完全対応でない古いDVDレコーダーでダビングしようとした場合でも「1回だけ録画可能」が守られるようになっている。

結局、地デジチューナーと古いDVDレコーダーを接続してリアルタイムでじかに録画することはできる。そしてその録画したDVDディスクはそれ以上コピーできない。いっぽう、地デジ番組をいちどハードディスクに録画してしまうと、ハードディスクと古いDVDレコーダーを接続してコピーすることはできない。ハードディスクと同じ機器の中に入っているDVDドライブへ移動することはできる。

いったい古いDVDレコーダーと新しいDVDレコーダーは何が違うんだろう? ひょっとして、古いほうはCPRMには対応していないがCGMS-Aには対応しているということなのか? うーん、素人の勝手な推測は意味がないな。わからない、と言っておこう。

コピーの可能性は他に残っているか? 可能性ならばある。

実験4/5で録画したデータはコピープロテクトがかかっているが、録画した機器がCPRM完全対応でないから、CPRMではないかもしれない。CPRMならばパソコンを使って複製を作っても無意味だが、もしもCPRMほど徹底したプロテクトでないならばパソコンによる複製の可能性が残っている。もちろん、実験するまでは結果はまったくわからない。

もうひとつの可能性は、再生側の機器と録画側の機器の間に何らかの仕掛けを設ける場合。

私には、これらの可能性について新たに実験するだけの気力が残っていないので、この件はここまでとする。VHSビデオデッキの実験は、また後日。


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