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坐骨神経痛(3) 医者へ行って悪くした [坐骨神経痛]

(坐骨神経痛(2)から続く)
ふとももにビリビリビリッときて腰の激痛に苦しめられるようになっても、実は私は自分の体をよく観察して、日数はかかるが治ると判断していた。ところが親はとても心配して、医者に行けるようにタクシーを呼んだ。私は自分の足で立って、ゆっくりだが普通に歩いて外へ出た。なにしろ立っているぶんには痛くないのだから。私としてはこのままそっと治したかった。やがてタクシーが来た。私はタクシーに乗ろうとして激痛に襲われた。タクシーの中では立っていられない。座らなければならないが、その姿勢は私には耐えられないものだった。親は、病院に着くまでの辛抱だからと言ってくれた。

やっと病院に着いた。そこで待っていたのは、横になってのレントゲン撮影だった。私はまた激痛に襲われた。耐えられない痛みの中で寝返りをうたなければならなかった。医師はブロック注射をしようかためらっていた。副作用として免疫力が落ちると言った。一度は注射をやめたが、最後に考え込んで、注射しましょうと言った。それからアンプルを持ってきたが、いくつもいくつも取り出した。私はびっくりしたが、標準の量というものを知らないので何も言えなかった。注射をして会計で支払いをする時、「今日は注射の量が多かったのでいくらいくらになります」と言われた。私は唖然とした。最初に注射そのものをためらっていた医師が、どうしてそうなるんだ。

それから病院を出て歩こうとしたが、歩けなかった。足を一歩前へ出すのも必死だった。タクシーの中で無理な姿勢をし、病院で寝返りをうたされたため、私の坐骨神経はとんでもないことになっていた。もはやブロック注射は何の役にも立たなかった。私は、症状を悪くするために病院へ行ったことになる。

病院で処方してもらった薬は、痛み止めと睡眠薬だった。患部を治すための処方はひとつもなく、自然治癒力で治癒するまでの間を楽にする処方だけだった。私は不運にも病院へ行きレントゲンを撮る過程で神経を怒らせてしまったから、病院へ行って良かったと思った要素はただのひとつもなかった。

その後、私の体に皮膚病が出来た。これは広がり、最初の数ヶ月はとくにひどかった。黄色い臭い汁が出て止まらなくなった。それがなんとか治まった後も、輪状に広がるただれができ、ステロイドを塗らないと治まらなかった。治まったと思えばまたすぐに皮膚病が出来た。こんなひどい皮膚病は生まれて初めてだった。この皮膚病はそれから2年経った今も完治していない。当初、親は腰痛ばかり気にしていたが、私は自分の体のことだから、この皮膚病は腰痛よりもたちが悪いと見抜いていた。そしてその通りだった。これがブロック注射の副作用としての免疫力低下が原因かどうか、本当のところは不明のままだ。ただこれだけは言える。私の心には、医師への強い不信感だけが残った。医者に行ったから病気が治るとは限らない。自分で考え、自分で判断してから、納得したなら行くがいい。


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