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ブラウン管テレビを処分するのは大変 [手記さまざま2]

業者にブラウン管テレビを回収してもらう必要が生じた。自分の家が所属する自治体の業者を中心にネット検索した。まず処分にかかる費用が馬鹿みたいに高くてめまいがした。たとえば作業に来る人間ひとりにつき3000円、うちのブラウン管テレビは重量35キロあるから1人では持てないので2人で6000円。運送費に3000円。テレビ自体の処分費に約3000円。1万円を越したじゃないか。少しでも安い業者をと探す人の気持ちがよくわかる。もちろん他の業者も調べた。再利用しますという業者。この言葉には引かれた。なぜなら、私はこのテレビを使い続けたいと思っていたからだ。新しく買い替えたBDレコーダーにはアナログ出力がなく、このテレビにはデジタル入力がないというちっぽけな理由で、完動するテレビを捨てなければならない。標準画質だが、標準画質の動画ばっかりPCで見ている私にとっては問題でない。だからこのテレビがどこかの国で再利用してもらえるならば嬉しい。でも、なんか違和感があった。業者のHPにはアフリカの貧しい子供みたいな写真が出ていた。たとえば衣類を送るのならばわかる。でも日本の地上波アナログ用受信機を内蔵したテレビが何の役に立つのだろう。そこに何か、妙なひっかかりを覚えた。(日本の山中に投棄されないよね?)私は別の業者も調べた。安く引き取ってくれる業者があった。どうやって引き取ってくれるのかを調べると、テレビをゴミ袋に包んで送るだけでいいらしい。私はまた、妙な引っかかりを覚えた。でもその引っかかりは、テレビをゴミ袋という所にたいしてではない。HPに出ている写真のゴミ袋が、大昔に使われていたタイプだったことへの引っかかりだ。ゴミ袋は様変わりした。大昔は真っ黒なビニール袋で中身がわからないものだった。そのうちに、中身がわかる必要があると言われて半透明の袋になった。そのうちに、ゴミの処分にはお金がかかるのでそれの一部を我々に負担させようと、値段が高めの色の付いたゴミ袋になった。せめてひと昔前の、半透明のゴミ袋だったら私も理解する。でも大昔のゴミ袋は、今どき誰がまだ持っているだろう。このようにして、調べてみると何だか気になる事が出てきて、安心して任せられる業者を探すのに苦労し始めた。いくつもの業者を調べ、疲れてしまった頃に、ネット上の質問と答えの掲示板に、ある書き込みを見つけた。テレビを2000円で引き取ってくれるという。それは格安だが、値段だけで決めるわけに行かない。業者の対応はどうか、トラブルなく仕事をしてくれる業者か。そこで私はその業者のHPを見てみた。これがすばらしかった。捨てたくないテレビを捨てなければならない客の気持ちもちゃんと察してくれる記述があった。私はやっと良い業者に出会えたと感じた。格安だからではない。私の大事なテレビを、たとえ破砕処分されるとしても、真心をもって扱ってくれる業者だからだ。私はHPのフォームから見積りのお願いを送信した。これで安心だと思った。それから1週間が過ぎたが、返答はない。さすがにこれは妙だと思い、再度ネット検索した。今度は口コミを見てみた。すると、業者のHPから受ける印象とはまったく違う、体験者の怒りがいくつも見つかった。私はそれ以前にもう業者探しで疲れていたが、自分がお任せしようとしていた業者が自分の思うような業者でなかったと知り、疲れ果てた。