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記録 LPレコードを1枚だけPC保存した [  レコード(補完計画)]

以前の記事に書いたが、私は自分の人生補完計画を完結させるために必要なDVD、CD、レコードを買った。レコードはコピーガードがかかっていないので音をPC保存可能だ。買ったからには盤の状態も早く確認したいというわけで、私はゴールデンウィークのうちにレコードのPC保存をすると決めた。

今日は朝起きて朝食後に、まずステレオの掃除から始めた。なにしろレコードを演奏する部分はずっと触った記憶がない。10年くらいは放置してある。私は覚悟を決めて掃除機を引っぱり出した。

レコードプレーヤーにはカバーが付いているからターンテーブルが露出してはいないが、そのままではカバーの隙間からどんどん埃が進入して内部まで埃が積もった経験がある。そこで古カレンダーを小学校の図工よろしく整形して、それをプレーヤーの上からかぶせてあった。でも、かぶせたのが10年くらい前だ。

私はプレーヤーとその隣の機器の間に積もった埃から掃除しはじめたが、隙間が狭くて掃除機のホースが入らない。ティッシュを持ってきて指に巻きつけこする。すると10年分の埃が舞い始めた。こりゃたまらん。掃除機パワー全開で吸いまくる。

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次にプリメインアンプの接続コードまわりの掃除。ここの接続を変えて、TAPE 1 REC OUTとPCのライン入力を接続しなければならない。

そしていよいよ、買ってきた中古レコードを段ボール包装から取り出した。これをプレーヤーのターンテーブルに・・・と思いつつ、あっと気づいた。レコードジャケットを置く台を用意しなかった。床にそのまま置くと、さっきまでの掃除でそこらへんに飛んだ埃が付きそうだ。ジャケットに付いた埃は後でレコードに付く。長年プレーヤーを触らないでいた間に、我が家でのレコード演奏の手順をすっかり忘れていた。

そんな調子だから、もうひとつ忘れていた。仕舞い込んだレコードクリーナーを出しておくのを。「いいや、眼鏡拭きの布で拭いてやれ」と思い、私は布を探した。ない!眼鏡拭きの布の新しいのをどこかに仕舞ったはずだが、見つからない。こうなったらレコードクリーナーを出すしかない。クリーナーのある引き出しの前にはPC-9821が鎮座していて、これを動かすのが面倒なものだから、普段は埃まみれになっている。今回は運よく、ゴールデンウィークに入ってから一度掃除した。PC-9821を手前へ動かしてから引き出しをあけると、一番手前に見慣れないものが。

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これは、レコードクリーナーではないか!しかも見覚えがない。私がもっているクリーナーはもっとずっと小さくて、高校時代から使い込んで磨り減った物のはずだったが。たぶん、レコード関係の商品が手に入らなくなりそうだと思った時点(その時は、何十年も経って再びレコードにレトロブームが来るとは予想できなかったから)で、秋葉原で買っておいたのだろう。つまり、これを買ったのはひょっとすると20年前、かもしれない。

とにかくこれで、物は揃った。レコードプレーヤーは数十年前の骨董品だが、それでもダイヤの楕円針だったはずだ。気休めだが付属の小さなブラシで針をなでる。アームを動かすとターンテーブルが回り始めた。まだ動くぞ。アームを動かしたりリターンレバー(正式名称忘れた)を使ったりして可動部を20年の眠りから目覚めさせる。針圧調整は今さら何かすると自滅しそうだ。20年前の調整を信じよう。ターンテーブル縁の模様を見ながら回転数を微調整。

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盤上に針を落とした。片チャンネルしか音が聞こえない。プレーヤーは健在だったがプリメインアンプが接触不良か。プリメインアンプのSOURCEボタンをパチパチと切り替える。一瞬両チャンネル聞こえた。いろんなつまみやレバーを動かしてサビを落としたほうがいいなと考えた。私はいろんなつまみを動かし始めた。テープセレクタのレバーを動かす番になった。このアンプは以前からこのレバーが接触不良で、たしか真ん中では音が出ず、TAPE1 -> TAPE2 か何かにすると音が出るんだった。と思いつつこのレバーをパチパチと切り替えた。サビ落としのつもりだった。そうしたら、全然音が聞こえなくなっちゃったヨー。

20年以上前はたしかに、TAPE1 -> TAPE2 か何かにすると音が出たんだが。どこをどう操作しても音が出ない!しまった、そーっと使えばよかった。このプリメインアンプ以外にはフォノアンプ内臓の機器をもっていないし。ううー。

私はテープセレクタのレバーをあちこちグリグリ動かした。すると、どこの接点でもない微妙な位置で片チャンネルだけ聞こえはじめた。レバーがずれるとすぐまた聞こえなくなった。

私は、得意の手を使う事にした。A4の紙を取ってきた。これを適当な厚さになるまで折って、レバーの隙間に押し込んだ。こうしてレバーの自由な動きを奪いつつ慎重に動かして左右の音が出る位置はないかと探した。しかし時が経ちレバーが少しずつ動くと音が出なくなる事があるので困ったなと思っていたところ、有難いことに中央のレバー固定位置で紙をレバー左側の隙間に押し込んでギューギューとレバーを右へ押し遣ったら偶然にも左右の音が聞こえた。このままだ、このままそーっと再生するのだ。今度同じ事をしても音が聞こえるとは限らない。聞こえるのは今だけと思ったほうがいい。

プレーヤーのカバーは閉じて演奏させる。どういう理屈か知らないが、外の音を針が拾って再生してしまう事がある。どんな周波数の音の時にそうなるのか、高い音だったか低い音だったかは、20年以上の年月の間にすっかり忘れてしまった。とにかく外で車のドアがバタンと閉まるたびに針が拾わないだろうかと心配しながらPCでの録音を終えた。終えてから、はたと気づいたが、2台あるPCのうち関係ないほうまで稼動していて、ファンの音がフィーフィーと鳴りっぱなしだった。やってる事と考えている事がちぐはぐだ。私の行動なんてこんなもの。

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今回買った中古レコードは、大竹しのぶの童謡。くまのプーさんとクリストファー・ロビンの歌だそうだが、プーとクリストファーは一部の歌にしか登場しない。

「A.A.ミルンと聞いて何を思い出しますか?」と言われると、日本人の反応は少なくとも3つある。
1.くまのプーさん
2.赤い館の秘密
3.そんな人知らない
私は長年、自分は2だと思い込んでいた。でも実はルルーの「黄色い部屋の秘密」と混同していた。だめだこりゃ。だから恥ずかしながら1に宗旨替えしよう。上記レコードの歌詞はミルンの子供のための詩集
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F
によるという。

中古レコードを買った店は「グリグリ」という名前。埼玉県さいたま市にあるという。私も若い頃は東京都を中心に中古レコードを探してこういうレコード屋を虱潰しに訪ねた事がある。懐かしい。盤質はNM(多少汚れがあるが、ノイズなどはない)で、よーく見ると2-3ミリのカビの跡が2箇所。これはクリーナーのベルベットでこすっても変化なく、落とせる汚れはすでに店が落としてくれた後と思われる。再生には支障なかった。継続的なブツブツとか擦れる音とかのノイズも聞かなかった。結局ノイズはAB面通して1箇所だけ、小さな傷があると思われ、レコードの回転につれてプツッ、プツッ、プツッと3回くらい聞いたか。レコードというアナログメディアは新品でさえ何らかのノイズがあっても仕方ない構造で、それが中古なのだから、この品質は「上の上」だ。

今後私はレコードをPC保存するだろうか。まだわからない。レコードを扱う時の埃の心配はカセットテープの比ではない。ネット上の書き込みに、CDで売られているものはレコードを演奏してデジタル化するよりもCDを入手したほうが音質的にも苦労的にもはるかにましだとあったが、それは正しいように思える。ただ、アナログのレコード盤に触れる機会がまたいつの日かあったらいいなあ。サンダーマスクのEP盤もっていたはずだなあ。

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blueclouds

翌日、替え針も発見。レコードクリーナー付属の液ボトルのキャップが締まりにくかったので気になって翌早朝にもう一度引き出しをあけて点検。その時に奥にある小箱が気になって取り出してみたら替え針だった。昔の私は、いつの日かまたオーディオコンポを使う日のために何でも用意しておいたらしい。こうなったら、昔の自分に応えるために、そして昔の相棒であるコンポ達ともう一度遊ぶために(「コンポで遊ぶ」ではなく「コンポ達と遊ぶ」ために)人生補完計画レコード編をしようと心に決めた私だった。
by blueclouds (2013-05-04 06:43)