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人生補完計画 カセットテープ音声のデジタル化保存(7) [  カセットテープ(補完計画)]

少し前に、ヘッドまわりのクリーニングに台所用中性洗剤を使う場合の事を「後日書く」と書いておきながらまだ何も書いていないと思うので、今日はそれを書いてしまおう。

まだレコードとかカセットテープとかが音楽再生・録音の標準だった頃には、いろんな噂が流れた。たとえばレコードをベルベット製のクリーナーで拭く前に静電気防止等の目的でレコードスプレーをかけたものだが、あのスプレーを繰り返しレコードに拭きかけているとノイズが増えるとか。ではどうすれば良いかと聞くと、その答えはなんと、水道の蛇口から水を細く出して、その下でレコードを洗うというのだ。そうすれば静電気は水に放電してなくなり、スプレーのようによくわからん内容物がレコード表面に付着する事もないからノイズが増える事もないと。私は一度、これを試してみた。そうしたら、真ん中の曲名が印刷してある紙は濡らしたくないから洗う時は苦労するし、何よりも乾かすのが大変。乾かしている間に埃が付くんじゃないかと気にする始末。

さて今度はカセットデッキのヘッドまわりのクリーニングだ。乾式のクリーニングカセットよりも液と綿棒を使ったほうがいいというのは定説だが、そのクリーニング液にも噂が流れた。よくある製品の場合、あの液は金属部品用の赤い液とゴム部品用の緑色の液に分かれている。つまりどちらも色が付いている。あの色の成分は、長く使用するうちに部品に付着すると。まあその、厳密にはこれは正しいとも思う。今回ネット通販で入手した製品も、キャップを回して取ったら、その中にある栓の縁に沿って赤い色がしっかり付いていた。という事は、液を蒸発させたら後には赤い色が残るという事だ。ただし、それが音に影響するのかというのは別問題で、気にする事もないというのが結論かもしれない。とにかくその色を付けないためか、代替案として誰かが言った。台所用中性洗剤を使う方法があると。

ここから先は、話を聞いた私が試した結果の話だ。

まず、この洗剤を使う方法は、私は基本的にピンチローラーだけに試している。水を使うので、金属部品がひょっとして酸化したり、万一どこか電流の流れるコードをショートさせたりする事があってはならない。ピンチローラーは金属部品に比べて汚れやすく、それゆえクリーニング液も気が付けばゴム部品用の緑の液だけを多く使って無くなっていたりして、そんな時に私はこの方法を使う。

台所用中性洗剤は必ず「薄い」水溶液にする。濃い洗剤液は後で拭き取る時に困る。ピンチローラーを拭くだけだから、ちょびっと作ればよい。作った薄い洗剤液を何かの小皿か小鉢に入れる。別の小皿にただの水を入れる。綿棒を用意するのは、クリーニングキットを使う場合と同じ。

さて、ピンチローラーのクリーニングを始める。綿棒に洗剤液を付けるが、この時綿棒を液に浸してたっぷり吸わせてはいけない。綿棒の先を液に付けてちょっと吸わせる程度にする。(そのあんばいは、言葉には出来ないので、次の説明を参考にどの程度吸わせるのが適切か考えてほしい。)なぜなら、その綿棒でピンチローラーをこするさいに、液が多く付いていると染み出てピンチローラーが必要以上に液だらけになってしまう。この液は洗剤液なのだ。後で拭き取る予定の液なのだ。それも考えなくてはいけない。で、綿棒でピンチローラーの掃除をする。

それから、別の綿棒(棒の両端に綿が付いているなら反対側)に水を付けるが、これもたっぷり吸わせてはいけない。なぜかって?あなたは、ピンチローラーから雫が垂れて、カセットデッキの内側に水たまりが出来るのを好むか?好まないだろう?そういうわけで水も洗剤液同様ちょっと吸わせる程度にする。この綿棒でピンチローラーに付いている洗剤液を拭き取る。

クリーニングキットの緑の塗料がごくわずかにピンチローラーに残っても構わないのと同じく、洗剤液が「洗剤の分子ひとつ残らず」拭き取られる必要はない。この洗剤液は初めから「薄い」し、水を含ませた綿棒で拭き取るだけでなく、この後さらにもうひと手間かけるので大丈夫だ。

そのひと手間とは、もちろん、乾いた綿棒で水分を拭き取る事だ。これは必要だと思う。「電気機器であるカセットデッキ内からすみやかに水分を取り除く」という意味でも。結果的に綿棒の使用量は、クリーニングキットを使う場合よりもひとつ多い。

後は、目視で乾いたように見えてもまだ水分は残っていると思われるので、自然乾燥にいましばらく時間をかける。ピンチローラーはくるくる回してみると、まだ乾いていない部分が見えてくる事があるので気を付けて観察する。

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