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レコードプレーヤーのその後 [手記さまざま4]

レコードプレーヤーが、即日、すごい早さで売れた。まだ取引2件目の慣れない私は、それから相手に失礼のないようにと焦りつつ先を進めた。ヤマト運輸がプレーヤーを持って行った後、ようやく私はホッとした。1件目の取引では、私は焦りのあまり、取引相手の自己紹介や売った商品を見る余裕もなく終わってしまった。それは取引相手に悪かったなと思った。それで、今回は取引相手の自己紹介や売った商品を見に行った。それは数十点の商品を扱う達人だった。その商品の中にレコードプレーヤーがあった。私のSL-1700よりもよほど立派なプレーヤーに見え、それを売ってまでどうしてSL-1700を買ったのかなと不思議に思った。商品の説明を読むと、そのレコードプレーヤーは父親から譲り受けたもので、その人自身はレコードを聞かないと書いてあった。それで初めて、SL-1700は転売が目的なのだなと思った。前から書いていると思うが、私は商品を売って金を得たいのではない。このままでは不燃ごみや粗大ごみとして破砕処分確定の愛機に、何とかして「里親」を見つけてやりたい。だから値段は安くした。自分の愛するものを高値で売って利益を得るのは自分が許せないから。おそらくは、それが転売目的に利用されたのだろう。私はフリーマーケットの素人なので、転売という概念が頭になかった。とはいえ、私にとってはそんなに悪いことではない。なぜなら、破砕処分にならずに人手に渡ったではないか。人手に渡った後は、私に出来ることはない。それについては以前に書いたと思う。もしもお金を儲けたいという人ならば、自分に利益がなくて他人が転売して利益を得たら悔しがるだろう。でも私は、さっき書いたようにこの件で金はどうでもいい。大事なのはそこじゃない。愛機の行く末が大事なんだ。実は、愛機を一生懸命梱包したり、次の持ち主の身になって説明書きを書いたりする間、ある予感がしていた。運命の女神は皮肉屋で、一生懸命になりすぎるとうまく行かないものだ。今回私は一生懸命になりすぎている。だからきっと、何か起きるぞ。でも何が起きるんだろう。そう思っていた。それが、私の頭になかった転売という行為だったと知って、私は妙に納得した。メルカリで商品の値段を決める時、相場みたいなものが表示された。その相場が、ヤフオクでのSL-1700の相場よりもはるかに高かったから、私はどうしてこんな相場を表示するんだろうと思いつつ、それには従わなかった。今思うと、安すぎるのもそれなりに、出品者の思い通りにならない要因になりうるということか。でも、私は早く確実に売りたかったのだ。転居先探しが待っているから。まあ今回は必然的にこうなっただろう。もしも今度メルカリで出品することがあれば、その時は適正価格ということを考えようではないか。


追記
後に、取引相手から、SL-1700は自分で使うために買ったというメッセージが届いた。